
「多品種・多SKUの仕分・セットアップ」──これはただ単に作業効率化するだけではありません。 コストの削減、環境負荷の低減、リードタイムの短縮はもちろんですが、何よりも受け取る側の手間の削減という側面も重要でサプライチェーン全体に連鎖するとってもポジティブ要素です。今回は、セット梱包のメリット、実例を解説してまいります。
多品種の同梱・セット梱包とは、複数の異なる商品やアイテムをひとつの梱包にまとめて出荷・配送することを指します。
たとえば「POP・売り場展開ツール・ノベルティ」をひとまとめにして全国の対象店へ発送したり、「商品A+商品B+商品C+フライヤー・POP」をセットにしてケース出荷するような工程を指します。セットにはお客様毎の多様な仕様に準じて工程を組み立てる必要が出てまいります。
また、ただセットすればいいということではなく、ご要望毎に、例えば「10個で1ロットにしてほしい」「5枚1セットにしておいてほしい」「A+Bを1つのロットに」「すぐに配れるように手提にセットしておいてほしい」 などなど様々なシーンを想定した事前の加工も一緒に行うことで、利便性が向上し、使う側がわかりやすい仕様へと変化させることができるのものうれしいポイントです。
様々なメリットをもたらすセット梱包
受取側(顧客・販売店)のメリット
1. 受け取りが1回で完結
→ 検品・保管の手間が大幅削減
2. 注文漏れ・欠品の確認が容易
→ キット単位で確認できる
3. すぐに使える・配布できる
→ 販促活動のスピードが上がる
発注側や発送側のメリット
1. 梱包・発送コストの削減
→ 複数便をまとめることで送料圧縮
2. 作業効率UP
→ ピッキング・梱包を一元化
3. 誤送・混在ミスの防止
→ 仕分け段階でのチェックが品質向上につながる
まとめてしまうと・・・
展示・装飾物の開梱の手間削減
現場の負担が大きい展示・陳列
セットで届くことで早く済む
顧客満足度・信頼感の向上
「使いやすい取引先」として評価される
販促品の配り忘れ・使い忘れが減る
「何がどれだけ入っているか」がキット単位で明確
セット梱包するための大まかな流れ
セットパターン編成
入荷数確認
丁合物事前セット)
伝票マッチング
それではここからは、これまで単品梱包ベースに倉庫から出荷していたお客様が、セット梱包に変更した実例を元に説明いたします。梱包する商品・サイズ・数量によって梱包設計は変わってしまいますが、参考事例としてみなさまの案件にも当てはめることができるかもしれません。
【事例: アパレルメーカー】販促物/多品種/キット用梱包
全国のモール展開されている、衣料品小売メーカー様
商品やWOMEN/MEN/KIDSラインごとに販促が発生します。様々なアイテム展開があるため、都度規格に応じた箱の設計を実施しています。また、多品目にわたるため、事前にロット化、ポリ入れを行ったりし、輸送時事故を未然に防ぐための梱包配慮を行っています。
納入資材明細は受け取り側が見やすいように絵のついた納品書を同封し、受け取り店舗スタッフの検品が効率的に行えるように取り組んでいます。
| 品目数 | 20〜80SKU | セットパターン | 約5パターン(取り扱いライン・店舗規模により若干変動) |
| 種類 | ・A1、A2、600*300mm等パネル類 ・A1、A2ポスター類、タペストリー類 ・A4 POP類 ・カード、小POP類 ・カタログ、店舗用品類 |
配送方法 | 西濃運輸 ヤマト運輸(遠方地・沖縄) |
| セット件数 | 約250店舗 | 配送回数 | 月2〜3回 |
| 店舗ごとの納品個口 | 1個 または 最大2個 | ダンボール形状 (投入アイテムにより設計) |
・特別設計のキット用カートン+パッド+仕切り ・特別設計のヤッコ箱+パッド |
| 配送確定 | 1週間前まで | 梱包方法 | おまかせ |
| 作業日数 | 1-2日以内 | 資材の保管 | 1か月 |
お取り扱いさせていただいてから約7年が経過しております。年に数回改善ミーティングを開催し、店舗側からの要望や安全対策を協議しています。
お取引前は、既製品の箱を注文していたため1回の発送で各店3-4個口になっていました。また、急なアイテムの変更があるとその分配送を遅らせてるということも発生していました。
日々たくさんの商品が届けられる店舗からは「1箱見当たらない!」「どこにそれが入っているの?と」いった質問が多々寄せられていたため、これらの課題を解決しています。
事例サンプル
・A1パネル・A2パネル類
・A1,A2ポスター類
・A4POP類・カード・F類
→合計45SKU
・250店舗
・各店1個口
・特別設計のヤッコ箱+パッド
・作業日数2日

上記セットの参考価格
| 項目 | 単価(1個口) | 備考(内訳・条件) |
| 1店舗当たりのセット梱包コスト | 1,950円 | 事前加工+ピッキング+梱包+納品明細作成+カートン代 |
| 1店舗当たりの配送コスト | 600円 | 西濃運輸利用・関東店舗の場合。館内配送施設は別途費用あり |
| 合計 | 2,550円 |
外部委託するときにココを押さえておけばバッチリ!
利点が多い一方で、品種数が増えるほど作業の複雑さも上がります。
導入時は以下のポイントを確認しておくと安心です。
1. ルール設定と資材内容の共有
品番・数量の管理・仕分けリストのルール設定、セットスケジュールに合わせて仕分け配送表を取りまとめる。間違いのないよう搬入資材のデザイン一覧を共有。
2. 搬入スケジュール
それぞれの資材の搬入日設定を確認。搬入遅延が発生した場合の対応方法を確認。セット梱包は1点でも不足すると成立しなくなります!
3. 出荷方法
リードタイムに合わせてコスト優先をさせるか、午前中や午後着指定があるのであればヤマト運輸にするかなど事前にきめておきましょう。
いかがでしたでしょうか?多品種の同梱キットは、さまざまな流通課題を克服できる可能性があります。今回のコラムをまとめると
・多品種の同梱・セット梱包とは、複数の異なるアイテムを1つの梱包にまとめる作業のこと
・販促・EC・ギフト・BtoBなど、あらゆる業種・シーンで活用され、今後もますます求められている
・配送コスト削減・顧客体験向上・販促効果など多くの利点がある
・品種数が増えるほど管理・品質担保の仕組みが重要になる
異なる事例はまたご紹介させていただきますので、次回もよろしくお願いいたします。
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