
近年、デジタル化が進む中、販促品においても様々な変化が表れています。地域特性、カテゴリーの細分化、など必要な場所に必要な分だけを注文するといった考え方が進んでいますね。
流通や梱包事業者においてはこのようなお客様の多様なニーズに応え、過剰な商品供給を低減するために小ロットへの機動的な対応が必須となっています。しかし、この対応は同時に様々な注意点が存在します。これらを怠ると、コスト増加、品質低下、納期遅延などの問題につながる可能性があります。
そこで、これからの”多品種” ”小ロット”をキーワードにどのようなところにどのように発注することが大切かを解説してみます。
もくじ
どんなところに発注するべきか
案件規模やコスト感、納期対応と様々な側面により選択しはいくつかあります。
大きく分けて4つに棲み分けされます。
1. 総合物流会社 / 3PL
これらの企業は、倉庫保管、在庫管理、ピッキング、アッセンブリ、流通加工、配送までを一貫して提供する能力を持っています。多品種小ロットの販促物の場合、SKU(最小在庫管理単位)が多く、複雑な仕分けやセット組みが必要になるため、高度な物流管理システムとノウハウが求められます。
強み
・幅広い物流サービスをワンストップで提供
・大規模な物流ネットワークと豊富なリソース
・高度なWMS(倉庫管理システム)やSCM(サプライチェーンマネジメント)システムを活用し、効率的な管理が可能
・物流コストの最適化提案
代表的な企業例
・ヤマト運輸、佐川急便、日本通運といった大手運送会社系の物流子会社
・日立物流、三菱倉庫、三井倉庫ホールディングスなどの倉庫・物流企業
・富士ロジテックホールディングス、センコーグループホールディングスなど
2. 発送代行 / フルフィルメントサービス会社
特にECサイト運営者や通信販売事業者向けに、商品の受注から梱包、発送、在庫管理、顧客対応までを代行するサービスを提供しています。販促物の発送もこの範疇に含まれることがあります。小ロット、多品種の発送に特化しているケースも多いです。
強み
・EC事業者や通販事業者向けのノウハウが豊富
・システム連携による効率的な発送処理
・顧客対応や返品対応まで含めたきめ細やかなサービス
代表的な企業例
・EC専門の発送代行会社(多数存在する「EC 発送代行」「フルフィルメントサービス」といった企業)
3. 印刷会社の梱包発送(一部の会社)
印刷会社の中には、印刷物の制作だけでなく、その後の加工(アッセンブリ)、仕分け、発送までを一貫して請け負うところが増えています。特に販促物の場合、印刷から発送までワンストップで行うことで、リードタイムの短縮やコスト削減が期待できます。
強み
・印刷物制作のノウハウと連携
・デザインから発送までを一貫して依頼できる
代表的な企業例
・大日本印刷、TOPPANホールディングスなどの大手印刷会社や中堅・小規模の印刷会社でも、物流機能を有しているところ
4. 流通加工・アッセンブリ&梱包発送代行会社
ニッチな分野ですが、複雑な手作業によるアッセンブリや、非常に多岐にわたる種類の商品の仕分けに特化した会社も存在します。特に繊細な作業や、機械では対応しにくい複雑な組み合わせが必要な場合に強みを発揮します。
強み
・高度な手作業によるアッセンブリ技術。流通加工にノウハウをもつ
・少量多品種、複雑な組み合せへの対応力
・全国への仕分け・配送において大手物流と比較しコストメリットがある
会社選びのポイント
販促物の多品種小ロット化に対応する会社を選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
・実績と経験: 同様の販促物の取り扱い実績があるか
・対応能力: 貴社の販促物の種類、量、発送頻度、複雑さに対応できるか
・品質管理: アッセンブリや仕分けの精度、誤発送防止策など、品質管理体制はどうか
・コスト: 料金体系が明確で、費用対効果が見込めるか
・提案力: 貴社の課題に対して、物流の最適化や効率化の提案をしてくれるか。
多品種?小ロット?ってどんな規模のことを指すの?
販促物の場合キャンペーンごとにデザインや内容が異なるチラシ、地域限定のリーフレット、個別の店舗名が入る。
複数のキャンペーンやイベントが同時並行で進行しており、それぞれに異なるチラシ、パンフレット、POP、ノベルティグッズが必要なもの。
来店客数や店舗規模、展開規模によってことなる複数の商品を組み合わせて、様々なバリエーションの「販促セット」を作る。
「小ロット」とは、一度に生産・製造・発注する数量が少ない状態を指します。特定の店舗や数店舗分、または特定の顧客層向けに、数百部単位で販促物をアッセンブリして送る。季節限定や期間限定のキャンペーンで、短期間での配布分だけを都度アッセンブリする。
「多品種・小ロット」は多様な種類の商品やバリエーションを、必要な時に必要な分だけ少量ずつ生産・供給する形態です。
多品種小ロットのアッセンブリにおいて特に注意すべき点
販促物の多品種小ロット化におけるアッセンブリは、多様なニーズに応え、在庫リスクを低減する上で非常に有効な手法です。しかし、同時に様々な注意点が存在します。時には、コスト増加、品質低下、納期遅延などの問題につながる可能性があります。
多品種小ロットでは、品違い、数量違い、破損などのミスが発生しやすくなります。このため製品ごとに異なるアッセンブリ内容(同梱物の種類・数量、封入順序、梱包方法、ラベル貼付位置など)を詳細に記載した作業指示書が必要です。
写真や図でより分かりやすくすると把握が容易になります。
そこで強い力を発揮するのは「流通加工・アッセンブリ&梱包発送代行会社」です
流通加工・アッセンブリ&梱包発送代行会社はまさにこの「多品種小ロット」を遂行するには最適な選択肢の1つです。
みなさまが必要な要件をクリアできるか下記の項目を参考に検討してみてはいかがでしょうか?
対応可能な作業内容
御社が求めるアッセンブリ作業(例:複雑な手作業、特定の資材の組み立て、多品種の組み合わせなど)に対応できるか。
実績
同様の販促物や複雑なアッセンブリの実績があるかを確認すると安心です。
キャパシティ
小ロットから大ロット、急な増減に柔軟に対応できる体制があるか。
品質管理体制
誤梱包や破損を防ぐための検品体制や品質管理の仕組みを確認しましょう。
費用
料金体系が明確で、作業内容に見合った適切な費用かを見極めましょう。
立地・アクセス
都内にあることで、打ち合わせやサンプルの持ち込み・引き取りなどがしやすいかどうかも考慮に入れると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。部材一つ一つの品番、品名、数量、使用する販促物の情報などを正確に管理し、誤投入を防ぐ体制が必要になる「多品種」「小ロット」。
各工程でのダブルチェック体制(Wチェック)を徹底したり、同梱物の種類が多い場合や、類似したデザインの販促物が複数ある場合は事前加工でピッキング時の不備を防いだり様々な作業対策を講じる必要があります。
この仕組みをうまく使うことができれば、 荷物を受け取る人・資材を使う人への配慮負担軽減、そして梱包や配送コストの低減、環境負荷の削減など多くの効果をもたらしますので企業のマーケティング戦略において重要な役割を果たします。
一つの指示の違いにより不要なコストが発生したりもしますのでアッセンブリを依頼する側と受託する側との間で、常に密なコミュニケーションを取ることが何よりも重要です。
東京都江戸川区を中心に流通・梱包発送をおこなう株式会社美翔では
みなさまの課題解決をサポートしています。
※本コンテンツは株式会社美翔が独自の基準によって記事を作成しています。










